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施工事例電線地中化
複雑な地下環境を読み解き、
電線地中化の難工事を可能に。
都市景観の向上や防災対策の一環として進められている電線の地中化。その施工には、高度な技術と経験が求められます。社会基盤事業本部は、電線地中化のプロフェッショナルとして、難度の高い現場にも対応しています。

取材者: 近年、歴史ある街並みなどで電線を地中化した例をよく見ます。そもそもどのようなメリットがあるのでしょうか。
Hokuwa:
地中化の目的は都市景観の向上だと思われがちですが、防災対策の観点からも重要と言えます。地震や台風、積雪による電柱の倒壊は、緊急車両の通行を妨げるだけでなく、切れた電線による感電の危険も伴います。また、電柱がなくなることで道路の見通しが良くなり、交通安全の向上にもつながります。ですから、交通量の多いエリアから順次進められています。

取材者: 電線を埋設する工事にはどのような難しさがあるのでしょうか。
Hokuwa:
Hokuwaは、30年以上にわたり電線地中化工事を手掛けてきました。
特に、独自の強みと自負しているのが、電線を通すための管路の設計・施工技術です。例えば、管路に急な角度をつけると電線を通すのが困難になるため、緩やかなカーブを描くように図面を引きます。
地下には水道管やガス管などが複雑に交差しており、それらに干渉しないよう曲率(曲がり具合)を計算する技術は、長年の経験とノウハウによるものです。
取材者: 工事に着手するにあたって、どのような準備を行いますか。
Hokuwa:
まずは、別会社が作成した設計図を基に、現地での施工内容を詳細に指示した「施工図」を作成するため、既存の地下埋設物の図面を詳細に調査します。必要に応じて試験掘削を実施し、実際の地下の状況を正確に把握します。
しかし、工事現場では想定外の埋設物が見つかることも珍しくありません。そのような場合に、最適なルートを柔軟に再設計できるのもHokuwaの強みです。

取材者: 埋設した電線の点検はどのように行っていますか。
Hokuwa:
地中に埋設されている電線のメンテナンスは、従来、掘削して管路内の電線を一度切断する必要があり、多大なコストと時間を要していました。
そこで、地中に人が入れる箱状のスペース(ハンドホール)を設置し、そこに電線を通すことで効率的に点検する方法が採用されるようになっています。
ハンドホールを設置するには、管路内の電線をすべて引き抜く必要があり、多くのコストと時間がかかっていたのですが、近年では、既設の電線を生かしたまま設置する工法が求められるようになっています。
難度の高い工事ですが、Hokuwaは電線を損傷させることなく正確に施工することが可能です。今後、電線の地中化が進むにつれてこのようなニーズは増加し、当社の技術への需要もさらに高まると考えています。
困難な工事を終えた際には、「Hokuwaさんしかできない」という感謝の言葉をいただくこともあり、こうした声は私たちにとって大きな励みです。
今後も、発注元であるNTTの工事部門と共同で技術研修を行いながら、さらなる技術力向上に努め、お客様の期待に応え続けていきます。
